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2014/03/23

「制約」はモノを強くする。

「要は何?」

よく聞く言葉。この言葉は、決して「忙しいから君の話をだらだらと話しを聞いているヒマはないんだ」という理由だけに使われているわけではない。

「モノを強くする」ために、「モノをより魅力的にする」ために使われることもある。
今回の投稿は、そんな事例のご紹介。単純で、当然の話だけども、ダイジな話。


サービスの核を見つける

10年ほどビジネスを続けているウェブサービス会社の社長に話を聞いたことがある。その人は、企画書が挙がるたびに、「半分以下のコストで行え」という命令を出すとか。

そうすることで、そのサービスの「核」が明確になる。ほとんどのものを捨てて、それでも最後に残るもの、それがサービスの「核」である。これを明確にすることで、下記のようなイイコトがある。

・ユーザが何を「良い」「悪い」と判断しているかが明確にわかる
・無駄なものを作らないので、時間と費用の削減に繋がる
・開発者が手を離しても、目指すべき方針が明確になる


要は「そのサービスの提供価値を明確にしましょう」という話だが、それがなかなか難しい。
ただ、物理的に「制約」を与えることでその「核」を見つけ出すという興味深い手法といえるだろう。


「制約」は独自の「良い」発展を生む


TwitterやVine(動画投稿型のSNS)といった、字数制限・秒数制限を備えたSNSは、まさに「制約を加える事で良い発展を遂げた例」といえる。
発展については、「サービスの発展」と「ユーザの利用方法の発展」の2点があるだろう。

◆サービスの発展
ツイッターの核は「インスタントなメッセージ投稿」であり、Vineの核は「制限時間付きの動画の投稿」である。
その核が明確になっているからこそ、Twitterに投稿する画像にはFacebookのようなタグ機能はいらないし、Vineには「自動再生機能」や「繰り返し機能」が必要になってくるのだ。全てその「核」を元にサービスが発展しているのが分かる。
(わけわからない機能を追加、というようにはならない)


◆ユーザの利用方法の発展
この2つのサービスに共通している興味深い点は、「ユーザ」にも制約を与えている点であろう。ユーザの利用方法も、(もしかしたら開発者の意図とは異なった形で)制約という「核」を軸に発展をしている。
140文字、6秒という制約により、人は「工夫」を始める。そしてその「工夫」の仕方はもちろん人によってことなる。
Twiterに関しては、多少プラットフォーム化してしまっているのでいろいろな発展を遂げているが、他のどのブログよりも「気軽に」つぶやけるものとなっている。
Vineに関しては、これほどか、と言うまでに「工夫された」「洗練された」動画が投稿されている。
同じ動画でも、Youtubeの動画の質と、Vineの動画の質とでは、何もかもが違うことは言うまでもない。



「制約」により「核」が明確になっていると、その核を元に全体が規定される。サービスの核がいくつもあると、それぞれ「1/複数」の速度でサービスは発展する(リソースを「複数倍」しない限り)。結果、速度は落ち、乱雑に発展の方向が交じり合い、核は埋もれて見えなくなるだろう

身近なものも「制約」だらけ

もっと身近なもので、映画や舞台も時間という「制約」を設けている。
元々伝えるべき内容は「人の一生」などの「長年にも渡るストーリー」であるのに、その内容は2時間もあれば伝わってしまう。何十年間という人生をたったの数時間にまとめるのだから、その内容の濃さ・工夫のしようは計り知れない。

制約と発展

先ほどのTwitterやVineの例もそうだが、「制約」を加えることで創造性が発揮され、時が経つに連れそれらは独自の発展を遂げていく。

もしかしたら

「写真」は「動き」を使わない、という制約を設けた「映像」であり、
その「映像」は「音」を使わないという制約を設けた「動画」であり・・・

もしくは「写真(もしくは絵)」は「文字」を使わないという制約を設けた「メッセージ」であり、
「写真」を用いないという制約を設けた「メッセージ」が「詩」なのかもしれない。
そしてその「詩」は「メロディ」を使わないという制約を設けた「音楽」であり・・・

なのかもしれない。

短時間での魅力訴求の最たる例(かもしれない)エレベーターピッチ

そういった意味で、エレベーターピッチはコアメッセージのみに焦点を当てた、「要は何?」の非常に良い例なのかもしれない。1つ例を紹介して、今回の投稿はおしまい。
※下記の動画、 greatest elevator pitchで調べて一番上のを載せただけですが、内容かなり面白いですね。カップを「広告」として利用する。それがどれだけマネタイズ出来るのかをプレゼン)




最後に

もちろん、制約を与えればよい、というわけでもないですが、足りないからこそ工夫が生まれます。
そこから個性が生まれて・・・と考えると、全てがパーフェクトな人間が居ないのもなんか納得です。「足りない」は個性と発展を生み出す鍵。


もう少しブラッシュアップできただろうな、と思いつつも、だらだらと書かせていただきました笑
トピックがトピックなだけにそれはタブーな気もしますが笑
最後まで読んで下さり有難うございます。







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